結婚指輪の職人が独自に開発手作りする金属の手指義手

きっかけは関節の動かせる装身具としての指輪作りでした。従来からあるシリコンで作られた肌色の指のエピテーゼではない新しい義指

ジュエリー制作で培ったノウハウで、関節の曲げられるフィンガーリングのような義指の開発に取り組みます]

従来のエピテーゼの分野になかった関節を曲げられるチタン製リング。デザイナーが指に合わせたチタンの義指を制作します。

[チタン製装具の手指義手:指を失ったひとのための義指としての動く指輪作り

エピテーゼ デザインワーク 指と関節

プロダクトデザインやインダストリアルデザインの分野でも、身体の運動とデザインは密接に関わるように、ここで関節リングを作る場合も、指を指にまとうという概念で、関節と指と指輪の密接な関係を研究してデザインします。 従来のエピテーゼにはデザインが取り入れられるということがなかったのかもしれません。 デザイナーとして、どうお役にたてるか、使いやすさと視覚的、触覚的な心地良さに重きを置いて創造します。 デザインというのは、見た目の美しさだけではありません。外見の装飾だけではありません。美しさとひとことで言っても個々の主観があるかと思いますが、恰好が良く使ってやさしいもの、綺麗でしかも丈夫なもの、使い続けて使い勝手が良くしかも清潔に保つもの、それらを総体化した心地良いものが=美しいもの、ほんものと言えるのだと信じます。 そこにチタンの抗菌性と耐久性と活かしながら、使うのが楽しい、着けただけてうれしくなるような指輪としての義指を作ろうとしています。ほんとうに良い物、美しいものとは何かを考えていきたいと思います。
デザインワーク

指と関節と義指

手(hand)には、英語ドイツ語で「握る装置」という原義があり、そこから創る・所有するというような意味に派生したそうです。指折り数えて待つ、手の指先から足のつま先までと、指には大変重要な意味と働きがあります。 デザインにおいても、「手や指」の持つ意義は、当然ながら、手法や手技など文化的にも意味があります。 ここで指にまとう指、関節リングをデザインする場合、手描きのスケッチや、手の関節の動き方を研究し、どのような用途で、ものにどう接するかなどをシュミレーションし、それを原型制作し再現してみます。今はコンピュータの普及によって、手描きでデザインを起こすことが少なくなっているかもしれませんが、ここでは、実際に手描きでデッサンし、細部まで自由度をもって制作します。   たとえば、指に装着して、キーボードをたたきたい、グーチョキパーの動きができるなどの指の曲がり方も加味して関節リングをデザインします。