結婚指輪の職人が独自に開発手作りする金属の手指義手

きっかけは関節の動かせる装身具としての指輪作りでした。従来からあるシリコンで作られた肌色の指のエピテーゼではない新しい義指

ジュエリー制作で培ったノウハウで、関節の曲げられるフィンガーリングのような義指の開発に取り組みます]

従来のエピテーゼの分野になかった関節を曲げられるチタン製リング。デザイナーが指に合わせたチタンの義指を制作します。

[チタン製装具の手指義手:指を失ったひとのための義指としての動く指輪作り

profile/設計者

松本恵子

・試作品加工
・企画 設計 組み立て
・チタン表面処理 研磨

ジュエリーの分野でのデザインスキルを活かし、指輪という概念を超えて指の代わりになる関節リング義指にも新しい分野として開拓に取り組んでいます。
もともと空間のインスタレーションアートを現代美術の分野で活動してきました。
常に空間をコンセプトとした作品を発表しながら、ものづくりをしてきました。
かたちをつくることで生まれるすきまのかたちを造形するように、建材を構築するように、パーツを組み立てながら小さな手のひらサイズのジュエリーも手掛けてきました。
検索エンジンから私にたどりついてくださった方からの依頼で義指を作ったことをきっかけに、新しい義指デザインと制作にも取り組むようになりました。指の関節と指輪のことを熟知し、美術造形家としての創作力、デザイン性をフルに活かしたモノ作りをします。

keikomatsumoto
東京都生まれ
美大油画卒
美大卒業後、渡欧。下関美術館長河村コレクション修理、修復に携わり5年。
米、ジョージア州アトランタATHENSジョージア大学。デュッセルドルフ日本領事館にて発表。インスタレーション個展のかたわら、ジュエリー制作し、パリ、ミラノ、オーストリアにて発表。2000年より渋谷にてジュエリー店プロドットコムを経営。自らデザイン制作までを手掛ける。
2006年アクセサリーショップからオーダーメイド専門へ移行。

松本恵子 作品発表暦 (クリックで各個展の作品画像あり)

1987 東京銀座ギャラリィK 松本恵子個展  

1988 銀座ギャラリィK 松本恵子個展

1989 埼玉O-Land Art Square松本恵子個展

1989 銀座ギャラリィK 松本恵子個展

1990 銀座ギャラリー銀松本恵子個展

1990 銀座ギャラリーK 松本恵子個展

1991 日本橋Tachikawa松本恵子展

1992 ミラノCentro Culturare L'oro di Noma 個展

1992 銀座ギャラリィK 松本恵子個展

1993 ミラノCoquetel keikomatsumoto個展

1993 オーストリアBitsche-Optic keikomatusmoto個展

1993 オーストリアLisi-Hammerle グループ展

1994 スイスチューリッヒJelmoli百貨店展招待出品 

1995 パリLe genie de la Bastille グループ展

1995 デュッセルドルフ クンストハウスDusseldorf 団体展

1996 横浜 神奈川県民ホール 団体展

1997 ミラノ IL FILO E IL SEME グループ展

2001銀座紀江画廊グループ展

エピテーゼとジュエリーデザイン

義肢としての指輪であってジュエリーという位置づけで考えて作っている義指です。
例えば眼鏡は今、アイウエアという呼び名で、視力を矯正してあげるという役割を越え、視力の良い人にもファッションウエアとしての位置づけで着るようにかけめがねがあります。義指にも、ばね指の矯正という役割を担うこともありますが、今ある皮膚そっくりに似せて義指を作らず、あえて隠さず見せる義肢というのが大きな違いです。
かっこいい指、指輪のジュエリーのような義指です。指輪としても着けながらも、指が反ってしまうのを防いだり、骨が出っ張ってしまうのを防いだり、自然に曲がってしまうのを押さえこむようなことも研究しています。なにかサポーターのような役割ですが、いかにも医療用の大きなバンドを巻くことに抵抗があるという方向けにデザインしています。
ニーズを満たしながらも新しい視点で身のまわりを考えていくのがデザインだと思います。